ドネルケバブの首都:2017ドイツ旅・準備編

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ベルリン「Kottiwood」で食べたドネルケバブ(2015年6月撮影)

今回はベルリン名物「ドネルケバブ」についてまとめます。
いわゆるB級グルメ、屋台の味ですが、だからこそ、そこに行かなければ食べられません。
どうしても食べたくなってまたベルリンに行ってしまう。そんな気がします。
(2017年8月時点の情報です)

ドネルケバブとは

ドネルケバブ(Döner Kebab:Kebapという表記もあります)は、回転する大きな器具で焼いた肉の薄切りと、トマトや玉ねぎなど野菜類、ドレッシング、香辛料などをパンで挟んだ食べ物です。

今は日本でも食べられるらしいので、ご存知の方も多いかもしれません。

肉も野菜もたっぷりとれるので、ヘルシーでボリュームたっぷり。朝食でも夕食でも、子供でも大人でも、いつでも誰が食べてもOKな食べ物だと思います。

ベルリンが発祥

「ケバブ」はトルコ(中東)の言葉で焼いた肉のこと。
そのため、ドネルケバブもトルコの食べ物というイメージがあるかもしれませんが、実はベルリン発祥です。
ベルリンの公式サイトではっきり書いています(ドイツ語のみ)。

Döner Kebab ist eine Berliner Erfindung🔗

このサイトによると、Kadir Nurmanさんというトルコからベルリンに来た出稼ぎ労働者が1972年、同じような労働者のために「手に持って歩きながら食べられるものを」と考え、クーダムの動物園近くの屋台で売り出したのが始まりだそうです。

「ドネル」=「回転」させて焼いたり、野菜と一緒にパンに挟んだりする食べ方が新しかったようです。
味付けはトルコ風かな?
ドイツのパンや機械技術と、トルコ焼肉の文化の融合なのかな、と思います。

「首都」の誇りと自負

上記のベルリンのサイトには「ドネルケバブの首都」という表現も出てきます。誇りと自負を感じます。

実際に、ベルリンで食べるドネルケバブは美味しいのです。(そんなにあちこちで食べているわけではありませんが)
シンプルな食べ物なので、本場のこだわりが生きているのかなあと思っています。

機会があれば、日本のドネルケバブも食べてみたいと思ってはいるのですが、あまり気が進まない……。
というのは、ウィーンで食べたものがイマイチだったからなのです。
ウィーンの中東系のスーパーでドネルケバブを売っていたので食べたのですが、ベルリンの美味しさに全然及びませんでした。
別にまずくないのですよ。焼いた肉と新鮮な野菜がたくさん入って、ちょっとスパイシーなソースがかかっていて、普通においしいのですが、何かが違う。

ウィーンの食べ物は、一般的にはベルリンと比べて勝るとも劣らないと思いますが、ドネルケバブはベルリンに軍配が上がります(※個人の感想です)。

そんなわけで、ドネルケバブを食べるならベルリン!と、心に誓っているのです。

オススメのお店

トップ10ベルリン

ベルリンで食べて、今までハズレたことはありませんが、最近は「トップ10ベルリン🔗」というサイト(ドイツ語と英語のみ)を見て、上位の店を訪れています。

2017年8月現在の順位は以下の通り。カッコ内は地区名です。

  1. Tadim (Kreuzberg)
  2. Mustafa’s Gemüsekebap (Kreuzberg)
  3. All in One (Mitte)
  4. Meraba Neuland Döner (Prenzlauer Berg)
  5. Rosenthaler Grill & Schlemmerbuffet (Mitte)
  6. Hisar fresh food (Schöneberg)
  7. Döner Turm (Moabit)
  8. Kaplan Döner am Leopoldplatz (Wedding)
  9. Hakiki (Wedding)
  10. Lale Imbiss (Charlottenburg)

このサイト、日本の食べログみたいなものでしょうか。
(食べ物だけでなくさまざまなランキングが出ています)

好みによるかもしれませんが、一定の信用性はあると思っています。

Kottiwood

私がベルリンを訪れた2015年6月の時点でも1位と2位は同じで、私はこの2件で食べるつもりでした。

しかし、実は、1位の「Tadim」にはまだ行けていないのです。

この店がある「コットブッサー・トア(Kottbusser Tor)」駅(地下鉄U1またはU8)近くの一角にはドネルケバブが食べられる店がいくつも並んでいます。
一昨年ベルリンを訪れたとき「Tadim」を探して行ったのですが、なぜか見つけられず、並びの別の店に入りました。

「Kottiwood」という店です。

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写真は店の左上が切れていますが、かろうじて「KOTTIWOOD」と書いてあるらしいことがわかると思います。
地名の「Kottbusser Tor」の愛称「Kotti」とハリウッドの造語のようです。なぜハリウッドなのかわかりませんが。

店内はこんな感じ。左奥に「ドネル」=回転式の装置で焼いている肉があります。

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左上にケバブのメニューがあります。拡大してみます。

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一番上の「Gemüse Kebap」がドネルケバブです。
「Gemüse」(ゲミューゼ)は野菜。肉が入っていない野菜だけのドネルケバブかと思ったら、違いました。
下に「im Brot mit Hähnchenfleisch, Gemüse und Salat」(パンの中に鶏肉、野菜とサラダ)と書いてあります。
肉は鶏肉なんですね。ケバブというと羊かと思いましたが、意外に鶏肉の店が多いようです。
サラダは生野菜。
それ以外の野菜、ジャガイモなどが「Gemüse」ですね。

出て来たものがこれ。

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大きいですよね!
片手で持って食べられるような大きさではありません。

しかしこれがペロッと食べられちゃうんですよねー。
野菜たっぷりなのと、やっぱりおいしいからです。
でも、少食な女性なら2食分になりそうなボリュームです。

これで2.90ユーロ。1ユーロ130円なら377円です。

この店、「トップ10ベルリン」には入っていませんが、この記事を書くためにグーグルで検索したら「Tadim」より高評価でした。
トリップアドバイザーでも高評価です。

www.tripadvisor.de

おいしかったし、また訪れて別のものも食べてみたいです。
でも「Tadim」もリベンジしたいし……。
短期滞在では圧倒的に時間が足りません。

Mustafa’s Gemüsekebap

2位の「Mustafa’s Gemüsekebap」は、「野菜だけのドネルケバブの店」として、日本語でもネットで紹介されていました。

店の名前が「野菜ケバブ」ですからねー。
でも「Gemüse Kebap」は、先ほどの「Kottiwood」ではいわゆるドネルケバブでした。

この店でも、注文するときに「ゲミューゼ・ケバブ」と言ったら「Vegetarischer?」と聞き返されました。
野菜だけのものは「Vegetarischer Kebap」(ベゲターリッシャー・ケバブ)と言ったほうが間違いないようです。

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これが「野菜だけのドネルケバブ」です。
野菜だけとなると、もはや「ドネル」でも「ケバブ」でもない気がしますが……。

見た目で、揚げた野菜がいろいろ入っているのがハッキリ分かります。
肉は入っていなくても満足感バッチリ。
ソースや香辛料も絶妙で、とてもおいしかったです。また食べたい。
お値段は2.80ユーロでした。

このお店、屋台なのですが、日本でも紹介されただけあっていつも長蛇の列。
並びたくないので、「トップ10ベルリン」に記載されていたオープン時間(確か午前10時)の直後を狙って行きましたが、そうするとまだオープンしていなかったりして……。けっこうアバウトです。

2年前に食べた時は、午前11時すぎに行ったら数人並んでいて、ドネルケバブを受け取った後にはもう10人くらいの列ができていました。

しかし、今は「トップ10ベルリン」に営業時間が記載されていません。なんでだろう? ちょっと気になります。
確認も兼ねて、次のベルリン旅行の時には必ず訪れたいと思います。

ちなみに、こちらのお店も肉入りドネルケバブの肉は鶏です。
場所は地下鉄U6のメーリングダム(Mehringdamm)駅出口すぐです。

注文の仕方

店で注文する場合、日本語の「ドネルケバブ」という発音では、たぶん伝わらないでしょう。
ドイツ語の発音では「デューナーケバプ」が近いと思いますが、やや違います。
Dönerの「ö」は、日本語の「お」の口をして「え」と言う発音です。
なので「お」に近い口の形をして「デーナー」が近いと思います。

多くの店でいわゆる「ドネルケバブ」ではないタイプのケバブも販売しています。
「ケバブ」と注文すると「Döner?」と確認されることも多いので、この単語は発音できないとしても、覚えておいたほうがいいかと。

また、大抵はサラダバーのように生野菜などがいろいろ並んでいて、全部入れていいか聞いてきます。
嫌いなものがあればそれを抜いてくれるよう頼むこともできます。
ドレッシングや香辛料も同様で、どれを入れるか、全部か、と聞かれます。
どうしてもダメというものがなければ「Alles」(アレス:全部)がオススメです。

持ち帰るかどうかもよく聞かれます。
「Packen?」(包みますか?)と言われますので、「Ja」(ヤー:はい)か「Nein」(ナイン:いいえ)で答えれば大丈夫です。
持ち帰って食べてもおいしいのですが、もちろんその場で食べるのが一番です。

街の危険性について

ドネルケバブはトルコ出身者がベルリンで作った料理なので、「トルコ人街」と言われるクロイツベルクで美味しいものが食べられるのは間違いありません。

移民問題で揺れるヨーロッパ、ドイツの中で、これは逆に移民のもたらしたポジティブな側面と思っています。

でも、移民の多い地域の治安が不安視される傾向にあるのも事実。
残念ながらコットブッサー・トア駅周辺は、最近ベルリンでも犯罪の急増地域として警戒されているようです。

tokuhain.arukikata.co.jp

そうは言っても、私はベルリンを一人で歩いて危険を感じたことはありません。

ここに限らず外国は、日本に比べればどこでも、日本より注意が必要です。
服装や所持品、言動、時間帯などに気をつけていれば、ドイツは世界の中でも比較的安全な国です。

いわずもがなですが、海外旅行の際は安全に気をつけて行動しましょう。

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