オペラ、オペレッタ、ミュージカル:2019ドイツ旅・ウィーン編4
今回のドイツ旅はウィーンに3泊して、オペラ、オペレッタ、ミュージカルを観劇しました。
オペラは「ホフマン物語」
オペレッタは「天国と地獄」
と、いずれもオッフェンバック。
ミュージカルは「キャバレー」。
楽しんできました♪
チケットの購入方法
私はいつもチケットを事前にネットで購入します。
普通はホールや団体のサイトから調べますが、ウィーンはウィーンでの公演を全部まとめて検索できるサイトがあります。
この ↑ 「Culturall」というサイト。
なんと日本語表記もあります。超便利。
クレジットカードで支払い、チケットはPDFをダウンロードしてプリントアウトして持参すればOK。
iPhoneのWallletにもダウンロードできます。
今回はプリントアウトしたチケットで入場しました。
ホフマン物語@国立歌劇場
ウィーン国立歌劇場です。
上の写真は昼間に撮影したので空が青い!
9月11日(水)19時開演。
緞帳の絵がホフマン物語のジュリエッタの「舟唄」のシーンかと思い、「今まで気づかなかったけれど、演目ごとに変わるの?」と驚きましたが、全然違いました。
(^^;)
基本的に緞帳の絵は年度ごとに変わり、この絵はグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のようです。
ちなみに2日後に観た同じオッフェンバックの「天国と地獄」は「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディです。
関係ないけど。
この大きなシャンデリアは、ウィーン国立歌劇場の映像を見るとたいてい映し出されています。
写真だと分かりにくいのですが、実際に見るととても見事、豪華で素敵です。
この歌劇場は3年ぶり。
字幕モニターが進化していました!
タブレットみたい。
キャストやあらすじも読めます。
あらすじ
ホフマン物語を一言で言うと、ドイツの詩人・ホフマンが自分の恋愛3題を語る、というお話。
- 1幕:酒場で盛り上がり、ホフマンが昔の破れた三つの恋の話を始める。
- 2幕:ホフマンは機械仕掛けの人形オリンピアに恋をするが、オリンピアの動きが暴走して壊れ、ようやく人形だと気づく。
- 3幕:恋の相手である歌手アントニアは、歌うと死んでしまう病気?で死亡。
- 4幕:娼婦のジュリエッタに弄ばれて影を失い絶望。
- 5幕:再び酒場。話し終えたところで、現在の恋の相手のプリマドンナ、ステラが公演を終えてやって来るが、過去の相手3人の面影に取り乱すホフマンを残して退場。
というようなストーリーです。
なんだかよくわからない話ですが、オペラはストーリーより音楽を楽しむものなので(笑)。
幻想的な雰囲気が、かなり好きです。
ちなみにホフマン物語はいろいろな版があるようですが、私が観たことがあるのはすべて上記のストーリーです。
感想
今回一番驚いたのはオリンピア、アントニア、ジュリエッタの3人を同じ歌手が演じたことでした。
タイプの異なる3人を一人で歌い分けるなんてすごい!と単純に感心。
3人の中ではオリンピアの超絶技巧とコミカルな動きが楽しくて好きなのですが、今回も素晴らしかったです。
キャスト・スタッフ
DIRIGENT:Frédéric Chaslin
INSZENIERUNG:Andrei Serban
CHOREOGRAPHIE:Niky Wolcz
Hoffmann:Dmitry Korchak
Muse/Nicklausse:Gaëlle Arquez
Lindorf/Coppélius/Miracel/Dapertutto:Luca Pisaroni
Andrès/Cochenille/Frantz/Pitichinaccio:Michael Laurenz
Olympia:Olga Peretyatko
Antonia:Olga Peretyatko
Giulietta:Olga Peretyatko
キャバレー@フォルクスオーパー
9月12日(木)19時開演。
フォルクスオーパーです。
木に隠れてよく見えませんが、白い壁が印象的な建物です。
1階のロビーが狭いので、みなさん外で開演時間を待っています。
外壁には大きなポスター。
期待が高まります。
開演前の舞台。
緞帳なし、セットが最初から見えている演出です。
あらすじ
実は「キャバレー」を観たのは今回が初めて。
このミュージカルのチケットが取れたので、ライザ・ミネリの映画「キャバレー」のDVDを入手し、予習しました。
でも映画バージョンとミュージカルバージョンは、内容もけっこう違います。
つまり、あらすじを語れるほど詳しくないのですが。
一言で言うと、1930年代のベルリン、キャバレーにもナチスの影が迫り……という感じ。
私は残念ながら、日本でもドイツでもキャバレーに行ったことがないので正確なところは分かりませんが、ドイツのキャバレー(カバレット)は風俗店というより「ショー」がメインの酒場って感じ?
歌やダンスのショーを上演し、猥雑な雰囲気もありつつ、ちょっと文学的で風刺が効いていて。
そのキャバレーのスター歌手・サリーと、アメリカから来た駆け出しの作家・クリフとの恋と破局。
二人が住む下宿の大家の年配女性・シュナイダーさんと、下宿に住むユダヤ人の年配男性・シュルツさんとの恋と破局。
ベルリンのキャバレーの風刺的で退廃的な雰囲気とショーのカッコよさ、それがナチスの台頭で規制されていくさま、失われる日常。
いろいろ考えさせられます。
感想
今回の旅で観た三つの演目のうち、個人的にはこれが一番良かったです。
サリーの歌とダンスもライザ・ミネリに負けず劣らず良かったし、キャバレーの道化司会者は通常男性が演じるようですがこの舞台では女性で、これがまた、気味悪さと可愛らしさがうまい具合に同居していてとても良かった。
映画を見たときはサリーが主役だと思いましたが、舞台ではこの司会者が本当の主役?という印象でした。
そしてユダヤ人の年配男性・シュルツさんがとてもいい味を出している……と思ったら、フォルクスオーパー総裁のロベルト・マイヤーさんでした。
さすが!
また観たいなあ。
ウィーンに次に行った時に上演していたら、また観てしまうだろうなあ。
キャスト・スタッフ
Dirigent:
Lorenz C. Aichner
Regie
:Gil Mehmert
Choreographie
:Melissa King
Conférencier
:Ruth Brauer-Kvam
Sally Bowles
:Bettina Mönch
Clifford Bradshaw:Jörn-Felix Alt
Fräulein Schneider
:Dagmar Hellberg
Herr Schultz:Robert Meyer
Fräulein Kost
:Johanna Arrouas
Ernst Ludwig
:Peter Lesiak
Max:Jakob Semotan
Piccolo:
Matthias Trattner
天国と地獄@フォルクスオーパー
9月13日(金)19時開演。
旅行最後の夜です。
再びフォルクスオーパーに来ました。
「天国と地獄」の方が通りがいいのですが、原題は「地獄のオルフェ」。
写真はフォルクスオーパーの外壁のポスターです。
この緞帳も、「天国と地獄」の神々をイメージしたものかな?と思ったのですが、演目とは関係なく、フォルクスオーパーの緞帳の絵はこれなのでした。
あらすじ
キャバレー同様、天国と地獄も「カステラ一番」の有名なメロディくらいしか知らなかったので、事前にDVDを入手して予習しました。
まず重要なのは、これがグルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディだということです。
私はこの「オルフェオとエウリディーチェ」も見たことがないのですが……。
(^^;)
気を取り直して。
簡単に言うと「オルフェオとエウリディーチェ」は純愛物語。
亡くなった妻エウリディーチェを取り戻すために夫オルフェオが地獄へ行き、連れ戻す際の条件「決して振り返って妻を見てはならない」を破って振り返ったにもかかわらず、その愛の深さを神が認め、二人揃って無事帰還……という話。
そのパロディである「天国と地獄」になると、夫婦は倦怠期でそろって愛人がいるという設定。しかも妻の愛人は神々の一人。
妻が亡くなり夫は喜びを隠しきれないが、世論がうるさいので、渋々地獄へ妻を取り戻しに行く。連れ戻す際に「決して振り返ってはならない」と言われても、妻を気遣って振り返ったりしないので、神が落雷を起こし驚かせて振り向かせ、妻を連れ帰るのに失敗した夫は喜んで一人で帰還。妻も神々の世界に残り、世論以外はみなハッピーという結末。
フランス人オッフェンバックの風刺と皮肉が効いたオペレッタです。
感想
もうストーリーだけで面白いので、もちろん十分に楽しかったのですが、予習で見たDVDが良すぎました。
ミンコフスキ指揮、リヨン歌劇場、演出ローラン・ペリー、妻がナタリー・デセイ、神ジュピターがローラン・ナウリというDVDです。
このDVDと比べてしまうと楽しさで負けてしまう……。
ごめんなさい!
ということで、最後の夜はちょっぴり不完全燃焼でした。
キャスト・スタッフ
Dirigent:Guido Mancusi
Regie
:Helmut Baumann
Choreographie:Roswitha Stadlmann
Pluto (Aristeus):
David Sitka
Jupiter:Kurt Schreibmayer
Orpheus
:Thomas Sigwald
Hans Styx:Boris Eder
Merkur
:Gernot Kranner
Mars
:Heinz Fitzka
Eurydike:Julia Koci
Diana:Birgid Steinberger
Öffentliche Meinung:Regula Rosin
Venus
:Martina Mikelić
Cupido:Jakob Semotan
Juno
:Christian Graf
Minerva:
Elvira Soukop
Eine Schülerin des Orpheus:
Una Stanic
たくさん鑑賞されましたね~♪いいなあ。
ところで歌劇場の字幕モニター、去年行ったときは6か国あって日本語もあったんですけどなくなっちゃったんですかね…?
画像で見るとドイツ語と英語のみ??(演目紹介だけがその二か国で上映字幕は6か国とかなのかな)
来年は無理だけど再来年を目指してまた行きたいと思います☆
moonbow5さま
コメントありがとうございます!
実はそのあたり、記憶が定かでなく、写真もなく……。でもご指摘のように字幕は6カ国語あり、演目紹介は2カ国語だったような気がします!
本文修正しました。ありがとうございました。
いえいえー記事修正まですみません~個人的(自分の)記憶確認のつもりだったのですがー。わたしは演目紹介は開かなかったので…。
でも6か国の中に日本語あるの嬉しいし、レクサスがスポンサーだからだっていう理由だけではないと更に嬉しいですよね笑。