独検2級と準1級ギリギリ合格記

初めて独検(ドイツ語技能検定試験)を受けました。

2級と準1級を併願しましたが、ネットで調べても特に準1級は驚くほど情報が少ない。

ブログの趣旨とは少々ずれますが、記録として残したいと思い書いてみました。

ギリギリの合格なので、この辺が合否を分けるボーダーと理解していただければ幸いです。

1級と準1級は年1回

www.dokken.or.jp

独検は夏と冬の年2回ありますが、夏は2〜5級のみ。
1級と準1級は冬しか受けられません。

冬季試験は9月〜10月中旬が出願期間。

私は2019年10月上旬になぜか突然思い立ち、調べたらちょうど出願期間だったため、勢いでそのままネットで申し込みました。

2級と準1級を併願

実は私、今までこういう資格の類はほとんど受けたことがありません。

中学生の時に学校で強制的に受けさせられた英検4級以来です(笑)。

各級のレベルもよくわからない。

ネットで検索したら過去問がありました。

www.dokken.or.jp

2級の「聞き取り試験」を聞いてみたら、ほぼ聞き取れたので、2級は大丈夫そうかなーと思いました。

しかし準1級を聞いてみると全然わからない……。

2級と1級のレベルの差が大きすぎるから準1級ができたらしいのに、準1級もずいぶん難しいじゃないですかー(泣)。

2級だけにしようか迷いましたが、どうせなら準1級も併願してしまえ!と、勢いのまま出願しました。

私のドイツ語学習歴

そもそも私はここ十数年、まともにドイツ語を勉強していません。

大学時代(30年以上前)に授業で学びましたが、文法と読解中心でした。

ドイツ旅行くらいは何とかなるレベルに話せるようになりたいと思って、20年ほど前にドイツ語学校へ通い始めました。

仕事の合間に週1回でしたが、5年ほど、断続的に複数の学校へ行きました。

週1回の決まった時間を捻出するのが難しくなってやめてしまいましたが、やめる直前は中級レベルという認識でした。

その後の十数年、ドイツ語との接点は、年1〜2回程度のドイツ旅行とNHKテレビのドイツ語講座のみ。

本当にもうすっかりご無沙汰です。
とはいえ独検対策で学校へ通う気もなし。

何か目標があって受けるというよりは、現時点の自分のレベルを可視化したいというのが、出願の動機でした。

筆記試験への対策

とは言っても、やはり試験ですから最低限の対策はしたい。

一応「独検合格らくらく30日 準1級」という本を買ってみました。

が。

最初の方に出てくる文法や慣用句など、すっかり忘れているというか、やったことも覚えてないっていうか……。

暗記は苦手だし今からこれ全部覚えるの無理。

早々に挫折しました。

文法問題と読解問題

何もしないうち、あっという間にに試験1週間前。

準1級は受けるだけ時間の無駄だから欠席しようかとも思いましたが、それももったいないので最低限できることだけしようと考え、上記の本の最後にある模擬試験をやってみました。

すると……。

前半の文法・慣用句問題は全然ダメだけど、後半の読解問題は意外といけるかも!

私は読解問題の方が得意なのです。

単語の意味や細かい文法・慣用句が分からなくても、文章の流れとか論理構成とか大意とか、だいたい分かります。

これ、ドイツ語力というより、むしろ日本語力?と思わないでもないけれど、ここで点数稼げるなら何とかなるかも!

聞き取りは2回読み上げ

過去問で全然分からなかった聞き取り問題も多少の光明が見えました。

何から何まで耳で聞くだけではないのです。
設問がドイツ語で書かれており、先に目を通しておけばリスニングの助けになります。

さらに、問題も設問も2回ずつ読み上げてくれました。
(分からないものは2回聞いても分からないのですが)

合格ラインは6割前後

ネットで調べたところ、合格ラインは年によるけど6割前後。

問題の大半は選択式だし、読解ができれば、残りの文法や慣用句がまぐれ当たりだけでも6割届くかも。

運が良ければ受かるかも?と思えるところまで気持ちを持ち直して試験当日を迎えました。

2級と準1級の筆記

12月1日(日)@都内某大学。

準1級が10:00〜12:25、休憩を挟んで、2級が14:00〜16:10でした。

試験問題は持ち帰れるし、メモをとったり解答を書き込んだりできます。

解答は試験翌日の午後に独検のサイトにアップされるので、自己採点が可能です。

自己採点

翌日、解答がサイトにアップされたのは確か夕方でした。

準1級の設問数は筆記37、聞き取り8、合計45。
自己採点では29問正解。

配点は発表されないので正確な点数は算出できませんが、正答率は64%。

ギリギリセーフかも!

ちなみに2級は8割正解。
手応えがあった割にはけっこう不正解が多く……。
苦手の文法・慣用句は2級も全然できていませんでした。
あと、聞き取りの2問目が難しかった。

結果は郵送

2次試験がある準1級の結果通知票は12月18日発送。

翌19日の夕方、うちに届きました。

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1次合格です!

64%正解で、得点は65.03点。
読解の方が配点が高いのかな?とは思いますが、大きな差ではありません。

合格最低点は58.28点なので、ギリギリというほどではないけれど、良くできたとは言えません。

ちなみに2級は1月10日発送で、合格証書と通知票が一緒に届きました。
私の得点は81.94点、合格最低点は65.28点と準1級より高めでした。

情報が少ない準1級2次

2次試験は面接です。

準1級についての情報はネットを探しても多くないのですが、2次試験の情報はさらに少ない。

出願したころに一度調べたはずですが、当時は現実味がなかったこともあり、漠然と「2次試験はそれほど難しくない」というイメージを持っていました。

年末年始のJGC修行とドイツ旅行を終え、その後も修行&旅行ロスでしばらく放心し、1月中旬になってようやく改めてネットで2次試験の詳細を調べたところ、何やらかなり難しそうで愕然としました。

情報を総合すると、2次試験の面接は7〜8分程度。

面接官はドイツ語ネイティブの人と日本人のペア。

最初に自己紹介、その後で裏返した3枚の写真から1枚を選び、その写真について説明する。

自己紹介はともかく、写真の説明って……?

写っているものの単語を知らなかったらアウト?

単語が分かったとしても性が分からなくて文法メチャクチャだったらアウト?

激しく動揺したところに追い撃ちをかけたのが、合格した方々の体験記。

読んだものは、ドイツ滞在経験がある方ばかりのようでした。

「5分くらいの自己紹介をネイティブの先生にチェックしてもらって、完璧に暗記した」「直前対策で感覚を思い出し弾丸トークで合格」みたいな感じ。

えーっ……準1級ってそんなレベルなの???
私なんか絶対無理じゃん!

自己紹介対策

まずは自己紹介ですが、語学学校に通っていた頃にいつもしていた自己紹介は、名前と職業くらい。
5分どころか、10秒もかかりません。

対策として、住んでいる場所の説明や、ドイツ語は大学で勉強したとか、年1回はドイツを旅行しているとか、趣味について、映画は、本は、スポーツは……など、準備しましたが、それでも5分なんてとてもとても……。

しかも準1級だからと思って、単語も少し難易度が高めなものを選んでみましたが、何度か練習しても口をついて出てくるレベルには到底及ばず。

面接当日の緊張の中で新しい単語を使うのは危険!

そう悟って、基本単語に戻しました。

これは結果的に良かったと思います。

頭が真っ白になっても口から出てくるような、言い慣れた単語だけで話すことを考えるべきです。

写真対策

難題の写真対策ですが、これはもう運を天に任せるしかありません。

ネットで見た情報では「これは◯◯の写真です」という言い方をするのが良いとのことでしたので、「Das ist ein Foto(あるいはBild)von 〜」と言おうと考えていました。

これもネット上の記述では「Das ist ein Foto des (あるいはder)〜」と2格を使う表現が書かれていましたが、私は2格を使った喋り方に慣れていないので「von」でいこうと決めていました。

あとは、写真のどの位置に何があるかを言えるように、上下左右、中央、手前、奥の言い方と、背景によくありそうなもの(山とか建物とか)の単語と性を思いつく範囲で再確認しておきました。

結局この程度しかできません。
付け焼き刃ではどうにもならないので、腹をくくるしかありません。

筆記に続いて再び「受けるだけ無駄だから棄権しようか」と思いましたが、もったいないので行くことに。

ネットで体験記を読んだ限りでは、黙らず説明し続けることが大事という印象を受けたので、とにかくなんでもいいから喋ろうと思って臨みました。

耳慣らしと口慣らし

「とにかく喋る」には慣れが必要です。

今更ではありますが、少しでも耳慣らし・口慣らししておきたいと思い、「口が覚えるドイツ語」という本の付属CDを活用しました。

短期間なので最初の方しかできませんでしたが……。

この本の文例が全部反射的に口をついて出るようになれば、きっと1級も余裕で受かるんだろうなあ。
道のりは遠い。

面接当日は早めに行こう

1月26日(日)、1次とは別の都内某大学で2次試験が行われました。

午前中は1級の試験で、準1級は午後。

受験票には「受付時間14:00〜14:30、試験時間14:30〜15:30」と記載されていたので、14:00少し前に会場に到着しました。

受付を済ませ、控室となっている教室で順番を待ちます。

面接室は4室あり、14:30〜15:30に1室6人(1人8分)、計24人。
準1級はその前後にも1時間ずつグループがあったので、約70人が受けたということになります。
都内に会場が何カ所あったのか知りませんが、思ったより多いと思いました。

私は14:30〜15:30のグループの1番最初、つまり14:30から面接で、5分前に面接室へ誘導されました。

「受付時間14:00〜14:30」と書かれていましたが、14:30ギリギリに到着したら間に合わなかったかも。

早めに行って正解でした。

実際の自己紹介

面接室の入り口横の椅子に座って待っていると、中から日本人の面接官が出てきて、日本語で名前を呼ばれました。

中に入ると受験票を見せて本人確認。

ここまでは日本語です。

続いてネイティブ面接官からドイツ語で座るよう促され、質問に応える形で自己紹介しました。

まず名前。
つづいて「Wie geht es Ihnen?」と初級の教科書1ページ目のような挨拶をされ、教科書通りに「Danke, gut」と応えた後、ちょっと迷ったのですが「Und Ihnen?」とこれまた教科書通りに言ってみたところ、苦笑しつつ「Danke, gut」と応えてくれました。
まあ笑いをとったということで(^^;)

そして「Woher kommen Sie?」とさらに教科書1ページ目の質問。
出身地を尋ねる表現ですが、日本にいる日本人が「日本」と応えるのは変だし、いま東京にいるのに「東京」というのも何だかなあ……と思ってしまってつい「Heute?」(今日?)と訊き返してしまいました。
「ええ、今日でもいいですよ。今日どこから来たか、どこに住んでいるかでも」みたいに言ってくれたので、住所の説明をしましたが、「今日は◯◯から来ました」と言ったところで、ああそうか、「今日」だと過去形の表現になっちゃうけど質問は現在系なんだから、やっぱり出身地を答えるべきだったんだ……と早くも失敗に気付いてしまいました。
なぜ出身地を答えることに疑問を感じてしまったのか、ナゾです。
今まで思ったことないのに。
試験の緊張ゆえでしょうか。

自宅の最寄駅を説明すると「ここまでどれくらいかかりましたか?」と訊かれ、答えると、この話題は終了。

次に「なぜドイツ語を勉強しているのか」と訊かれました。
「大学で勉強しました。ドイツ語が好きだからです。ドイツ語だけでなくドイツの食べ物やビール、クラシック音楽……もちろんドイツも好きです」
みたいな感じで答えましたが、これも途中、けっこう考えながら話しました。
沈黙が長く続いたというほどではありませんが、流暢でもなく。
文法も気をつけたつもりではありますが、完璧ではなく。

自己紹介はこれで終了。

実際の写真説明

目の前にある裏返された写真3枚のうち1枚を選んで表に返すよう言われ、その通りにすると、残る2枚を日本人面接官が回収。

そしてネイティブ面接官から「写真を説明してください。何が見えるか、とか……」などと指示されました。

何かの店の前に人が4人いて、犬が2匹。
犬の散歩の途中におしゃべりという感じです。

これじゃあ、「これは◯◯の写真です」って一言では表現できません。

面接官の質問が「何がみえるか」(Was sehen Sie ? )だったので「Ich sehe 〜」と言うことにしました。

「犬が2匹見えます。それと人が4人。店の前にいます」
そのあと困りました。

店の前には絵葉書スタンドがあり、建物はレンガ造り、道路も石畳なので、どこかの観光地の旧市街かも?と言おうと思いましたが、観光地とかレンガとか石畳とか単語が分からない。

「思うに、もしかすると、ここは有名な街?」と恐る恐る言うと「なぜそう思いますか?」と訊かれたので「ここは旧市街かなと思うし、店の前にたくさんポストカードがあるので、たくさんの人が訪れる有名な街なのかと思います。私は知りませんが」と超いい加減な説明。

「絵葉書」という単語も思い出せず「ポストカード」(Postkarte)と言ったところ、面接官が「Ansichtskarte」という単語を使って「あなたは絵葉書をよく買いますか?」と訊いてくれたので、次からはその単語を使って話しました。

「絵葉書はほとんど買わない」というと「旅行に行った時、家族や知人にどうやって説明するのか」と質問され、後は絵葉書と旅の記録の話になりました。
旅行は比較的話しやすいテーマですが、それでも基本単語しか使えなかったし、文法もメチャクチャだし、終わった後の感触は「たぶんダメだろうなあ」でした。

でも、久しぶりにドイツ語学校の先生と思われる、聞き取りやすいネイティブの人と会話したのがとても楽しかった!

またドイツ語学校に通いたくなりました。

最低点で合格

結果通知書は2月5日発送。

2月6日に届きました。

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合格です!

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最低点の24点(^^;)
本当にギリギリでした。

あれで合格したということは、ギリギリ会話として成立したと評価してもらえたということかなと思います。

言葉が出てこないのは、日本語でもよくあること。
多少の沈黙はあっても適当にとにかく話したのが良かったのだと思います。

単語のレベルや文法の精度が低かったので最低点なんだと思いますが、逆に言えば、あまり高度な単語や文法を要求されていないということ。

基本的な単語と文法レベルが最低限できていればギリギリOKということだと推察されます。

こんなダメダメでも何とか受かったので、これから準1級を受ける方は、どうぞ自信を持って臨んでください。

度胸で乗り切れば大丈夫だと思います!

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  • コメント ( 4 )

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  1. kazooman

    ゆーさま~
    いや~、スゴイなぁ~
    尊敬します。

  2. meinereise

    ハナサクcoroさま 
    いつもコメントありがとうございます!
    点数低くてお恥ずかしい限りです。
    夫からは「3級くらいのレベル」と指摘され、自分でも実際の力はその程度と感じます。
    独検を受ける人が「こんなんで受かるんだ」と勇気と自信を持ってくれたらうれしいです。

  3. momotooranda

    はじめまして😊
    合格おめでとうございます。
    すごいですね✨✨
    お隣のドイツやドイツ語圏に
    旅行に行くときに少しでも単語が
    わかるといいなぁと思い
    「旅するドイツ語」を見ていますが
    なかなか・・・😅

  4. meinereise

    momoさま 
    コメントありがとうございます!
    いつも楽しみに読ませていただいてます😊
    オランダに行った時、「ドイツ語とは方言程度の違い」と聞くので多少は分かるかと期待したのですが……全然分からないですよねー💦
    NHKの「旅する」シリーズは旅行気分も味わえて大好きです😆

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